新学期スタート~不登校の頃を思い返す~
今日から2学期。
息子は高校の寮生活に戻り、急に静かになった我が家です。
中学1年の2学期から登校渋りが始まり、3学期から不登校になった息子。
2年前の今頃、中学2年の夏休み明けは、学校に行けない自分を責めて苦しんでいた。
私たち親も。始業式前日まで、学校に行く気で張り切る息子の姿を見て、少し期待をしてしまって・・・。
始業式の朝、やっぱり学校に行けない息子にがっかりしてしまいました。
「親は“学校に行ってほしい”という期待をしてはいけない。そのプレッシャーが、ますます子どもを苦しめる。」と、よく言われています。
いろいろしちゃった私は、ダメですね。
夏休み後半、始業式が近づくと、不登校だったり学校に行きたくない子どもたちに向けてのメッセージが、様々なメディアを通じて発信されています。
『無理して学校に行かなくてもいい。』
『学校は命がけで行くところではない。』
ほんとに、そう。苦しい思いをして行く必要はないんです。
それでも、悩んで苦しんでいる子どもたちが大勢いるんですよね。
先週(8月26日)放送のNHK『ウワサの保護者会』のテーマは『不登校~保護者ができることは?』でした。
~以下、番組内容より~
◆国の取り組みの変化について
・昨年の文科省の通知。「不登校を問題行動としてはならない。」
・昨年末成立した「教育機会確保法」の中では、休むことの必要性、学校以外での学びの重要性についても強調されている。◆不登校経験者の話
・「不登校経験によって、大事なことに気づくことができ、今に繋がっている。」
・「今は不登校をしてよかったと思う。」
このような情報は、不登校で悩んでいる子どもや親にとって心強い励みになるかもしれません。
また、世間の人たちの不登校に対する意識を変えてくれるかもしれません。
ただ、私は息子が不登校だった時期、同じような番組を見たり情報に触れたりすることがあっても、全く気持ちが晴れることはなく、むしろ余計に落ち込みました。
休むことが認められ、学校に行かないという選択が認められても、自分たちの置かれた状況に少しの納得もできずにいました。
多くの子どもにとっては、家庭と学校とが社会の全てみたいなもの。
私たちの住んでいるこの田舎では、家庭と学校以外に居場所を求めることは物理的にも不可能です。フリースクールどころか、図書館すらありませんから。
学校に行かず、しかも引きこもり状態にならないためには、時間やお金、たいへんな労力が必要なのです。
毎日学校に通うことが“当たり前”のことだとすれば、その“当たり前”が当たり前ではなくなった時、日常生活のすべての歯車がうまく回らなくなります。
当時、息子は「死にたい」という言葉を何度も口にしました。
本人が何に悩み何を苦しんでいるのか全部わかってあげることはできませんが、少なくとも本当に死にたいわけではないことは確かでした。
死んでしまいたいくらい苦しいんだよね。
“学校に行けない自分”が情けなくて、「俺はダメな人間だ」と自分を全否定していた時期もあり。
「学校に行きたい。でも行けない。」と葛藤し。
息子の性質上、教科の学習だけでなく、学校でないと学べないことの方が多く、学校に行かなくても自分で主体的に学べるタイプではない・・・。
家庭にいることのメリットはほとんどありませんでした。ホームスクーリングという手段も向かない。(親が教師役っていうのも無理。)
そういう状況でしたので、息子の自信回復のためにも、学ぶ機会を得るためにも、まず学校という“枠”に再び戻るということをひとつの目標にしたのです。(ただし、中学校に期待できることは、あんまりなかったけど(苦笑)。)
本人を追い詰めるようなことはしませんが、かなり厳しく叱ったり、お説教することも度々あったし、家族3人が本気で感情をぶつけ合うこともたくさんありました。
怒ったり泣いたり笑ったり。家族でジェットコースター状態でした。
こんなふうに私たちのやってきたことが、良かったのかどうかなんてわかりません。
ココには書けないようなことも、いっぱいやっちゃったし・・・。
そして、今も道半ば。
これから先、なにが起こるか、どうなるか。不安も心配も尽きません。
不登校になってよかった、とは到底思えない。それは息子も同じです。
でも、その経験があったからこそ気づけたことは確かにあります。
それを無駄にしないよう、前を向いてがんばるしかありません。
新学期スタートにあたり、いろいろと思い返してしまいました。
心穏やかに過ごせる今に感謝しながら。