家庭科『2』の半衿つけ
頭痛もちの私は、やりたくないことに直面すると、一層アタマが痛くなる。
今日やらなければならないこと。それは“半衿つけ”。
んーーー。頭がイタイ。
着物をお召しになる方ならご存知と思いますが、着物の下(中?)に着る長襦袢の衿に縫いつける縦長の布、それが半衿です。(←こんな説明でいいのか・・・?)
最近では、半衿用の両面テープなどの便利グッズもあるようですが、そんなに頻繁に着るわけではないので、いつもチクチク縫ってます。
ですが、この作業をするのに最低2時間を費やしてしまう不器用すぎる自分が情けなさすぎる・・・。
これがなければ、もう少し着物の出番も増えるかもしれないのになぁ。
どんだけ不器用かって・・・。
半衿縫ってるはずが、半衿~長襦袢~自分の着てる洋服・・・と縫い繋がってしまっていたり。
端っこの糸の処理をしたところ、長襦袢の生地をジョキンと切り刻んでしまったり。とか。
恐らく、一般的に裁縫の苦手な人でさえ想像を絶するような事が次々と起きてしまっているんです。
思えば、はるか昔、中学校でも高校でも、6年間ずっと家庭科の成績は5段階評価の『2』だった。
当時はまだ、女子は家庭科、男子は技術、みたいに分けられていた時代で(そうだったはず)、家庭科の授業の中では『良妻賢母』という、今だったらクレーム付きそうな言葉が使われていたっけ。
中学2年の時。エプロンを作る授業では、あり得ないところに紐をくっつけたり、ミシンの縫い目が一か所も直線になっていなかったり、という些細なことで家庭科の担当教員に酷く怒られた。
(あぁ、あとは、ポケットの口が逆さになってて、しかも口が縫い閉じられていた。)
注意とか指導とかいうレベルではなく、授業中に真っ赤な顔で私に怒鳴る、若い女性教員の顔が今でも忘れられない。
(※私にとっては些細なミスだが、指導者としては許しがたいことだったのでしょう。)
高校1年の時は、スカートを作る、という極めて高度な技を要求される授業があり、これはもう私にとっては苦行以外の何物でもなかったわけで。
案の定、出来上がったスカートはウエストサイズ40cm。スカート丈25cmの超ミニミニスカート。(でも、出来上がっただけでも褒めてもらいたいくらい。)
その頃、摂食障害が始まっていて、拒食症だった私。人生の中で最も痩せていたのだが、さすがにウエスト40cmのはずがなく。
出来上がったスカートを見て、「これは!お人形さんのスカートを作れといった覚えはありませんよっ!」と教員。
製作途中には、ミシンとスカートと自分の制服とが、なぜか糸で繋がってしまうというアクシデントも。そして、無理矢理引っ張って、ミシンが壊れる、という顛末となり、担当教員が眩暈でクラクラするほど驚いていたっけ。
もちろん、その後、こっぴどく怒られた。
この時はベテランの女性教員で、「アタクシの長きに渡る教師生活の中で、アナタのような生徒は初めてです。」と涙まで流しながら、出来の悪い私にお説教をしてくださった。
学生時代のこれらの出来事は、あくまで真面目に授業に取り組む中で起きたことで、決してふざけていたわけではありません。
あれから何十年も経ちましたが、お裁縫の腕前は少しも上達しておらず・・・。
今もこうしてパソコンに向かい、自分のできなさ加減がどれ程のものかをココに書くことで、やらなきゃいけない“半衿つけ”から逃避しているわけなのです。
・・・頭痛薬が効いてきた。さぁ、そろそろ始めなきゃ。