どこかに吹く風

山ん中の笑えない毎日

田舎暮らし始めたものの・・・。「あんなことこんなこと、笑って吹き飛ばそっ。」と始めたブログですがもう笑う気力もございません。

夢はおっきく、ね。

女優の綾瀬はるかさんが主演映画の舞台挨拶の中で世界平和への思いを語ったことについて。彼女の発言を嘲笑するような記事も書かれたりしていた。ということを遅まきながら昨日Twitterで知りました。

 

綾瀬はるかちゃん、大好き!!(*^^*)

有名な女優さんのお話に便乗しちゃうのはおこがましいのですが、似たようなことがあったなぁ、と苦い記憶が蘇りましたのでチョコっと書かせていただきます<m(__)m>

 

息子が中学2年の時、学校行事で『立志式』なるものがありました。

元服にちなんで15歳を祝う目的とか。

昨今では『二分の一成人式』に関していろいろと目にしますが、同じようなものかな、と思います。

 

『感謝の強要』なんか当然お決まりでアリアリ。

普段何やってんだかわかんないような自治体の「長」とか「議員」とか、PTAその他諸々の役員とか、次々に登壇しちゃぁ、

「あなたたちを生んで育ててくれたご両親への感謝を忘れないこと。」

「いっしょに育ててくれた地域の大人たちに感謝しましょう。」

 

どうでもいいオッサンたちが紙に書いてあるどうでもイイ内容をエラそうに読み終えた後、中学2年生全員が一人ずつスピーチをします。

 

生徒たちは原稿を手にすることは許されず、マルっと暗記して臨みます。

式の数日前にそのリハーサルがあり、その日息子はガックリして帰宅しました。

「カアサン。俺、人生で初めて頭の中が真っ白になる経験したよ。」

「暗記してバッチリだったはずのスピーチ、全部飛んじゃったんだ。」

「もう、わけわかんないんだよ。」

かなりショックでダメージ大きい様子。

 

勉強はイマイチな息子ですが、どんな大きな舞台でも緊張することなく本番に強いこと、そして、無駄に記憶力がイイこと。この2点が自他ともに認める彼の持ち味なのでしたが。(※この記憶力、お勉強にはナゼか活かされておりません(T_T))

 

舞台に上がって緊張する。本番でセリフが飛ぶ。なんてことは誰にでもあることだし。

当時の息子は不登校から復活したばかりだったし。

これまでと同じようにはいかないよね。ってその時は思いました。

 

が、原因はそれではなかったのです。

スピーチの内容については学校が用意した雛形があり、生徒たちはその雛形を基に教員の指導に忠実に原稿を作成しなきゃならんのだと。

「将来なりたい職業」→「そのために自分が目指す志望校(高校・大学)」→「そのために一生懸命受験勉強に励みます」→最後に「育ててくれた両親・地域の大人たちへの感謝」

てな感じだったかな。(;・∀・)・・・・・

 

最初息子は正直に将来の夢を書いたんだけど、その下書きを見た副担任が削除と訂正を指示し、そしてご丁寧に手取り足取り新たなものに書き換える指導をしちゃってくれてたんですねぇ。

自分の意に沿わない内容になってしまったので暗記することができず、忘れちゃったからリハーサルで固まってしまった息子なのでした。

 

息子が書いた原稿の削除・訂正を指示する、なんてことはその前にもありましたから、「あぁー、またかっ。」って。ウンザリ・・・。

担任・副担任だけでなく教頭にも交渉して、できる限り息子の原案に近い内容に戻していただくことにしました。

元に戻すだけじゃぁダメですから。学校の指示で記されていた「親への感謝の弁」と「地域の人たちへの感謝の言葉」は削除させてもらうこともお願いしました。

 

だって、感謝するのは私たち親のほうでしょ。

こーんな親のところに生まれてきてくれて、しかも元気に育ってくれて。

地域の大人たちも。自分たちに感謝しろって、何様なのっ?

それにね。他の子たちは生まれた時からココかもしれないけど、息子はココに来てまだ2年弱。ココでは育ってませんて。

しかも、いろいろあって不登校になってますからっ"(-""-)"

感謝しようにも、近くに感謝できる人、ゼロですからっ!

他の生徒さんの中にも様々な事情を抱えていて、ご両親に感謝とか、近所の人に感謝とか、そんな気持ちになれない子だっていたはずなんですけどね。

 

息子、式当日はどうにか乗り切りましたが、それからまた暫くの間、学校に行けなくなりましたよ(-_-;)

 

彼の原稿の前半はこんな感じ。

「私の将来の夢は、〇〇〇関係の仕事に就くことです。それを通して、日本中できれば世界中の人が、大人も子どもも皆が明るい笑顔になって平和に暮らすことができる。そんな仕事に関われたらと考えています。」

ん~~。デッカい夢だねぇ~~。

それに対してセンセイは。

「世界中っていうのはちょっと大げさ。日本中っていうのも・・・。」

「それに“平和”っていうのもね・・・。」

結局全部ダメ出しされてたんだよーーー。

 

ひと学年30数名の小さな学校。

ほぼ全員が同じような内容のスピーチで終わりました。

一人だけ、素敵な夢を語っていた女子がいて。

あぁ、この子、息子が仲間外れにされてた時も不登校の時も、いつも変わらぬ笑顔で明るく話しかけてきてくれた子だわ。って、今でも忘れません。

 

息子のスピーチを聞いて、周りにいた他の保護者達はクスクスと笑ってました。

隣に座っていたウチと一番近所のお母さんからは、

「さすが、〇〇くんね。言ってることが幼稚すぎて普通とズレてる。」

と、すっばらしいコメントを頂戴いたしました。

 

そーゆーことを面と向かって言えちゃうアンタのほうが、私の中の常識からはズレズレにズレまくってますからねっっっ!と心の中で叫んで無視。無視。無視。

 

ちなみに、その方の息子さんのスピーチ↓↓↓ はい、どうぞ。

「私は将来公務員になるつもりです。安定した収入を得て、両親をラクさせてあげるのが夢です。」

母親は嬉しそうに涙ぐんでました。(-_-).....

 

ひとの夢や真摯な気持ちをバカにして笑うってなんなんでしょう。

心の中で貶すのも否定するのも自由ですが、それを口にしなくたっていいでしょ。

学校もさ。生徒の大きな夢を否定するなら、初めから書かせるな。意味ないよ。

 

夢なんて大きい方がいいに決まってるんだから!(^O^)/☆

 

・・・で、今週のウチの息子なんですけど。

愛用の“孫の手”が見当たらなくて困ってるんだって。

LINEのやりとり。

息子「アレ、修学旅行のみやげ物屋で買ったお気に入りだったのに。」

  「仕方ないから明日100均で代わりの買ってくるよ。」

 

私 「そんなもん。買わんでエエわ。」

  「ものさしとか、その辺の棒っきれで。」

 

息子「ちょうどイイものがない。どうすればいいんだ。」

 

私 「柱の角とか、なんでもいいから尖ったところに背中をこすりつけろ!」

  「道具は必要なし!」

 

息子「おー! カアサン、頭いいね!」

 

世界平和とはほど遠い、アッタマ悪すぎる親子の会話・・・(+o+)

やっぱ、夢が壮大すぎるかぁ・・・(ため息)。