どこかに吹く風

山ん中の笑えない毎日

田舎暮らし始めたものの・・・。「あんなことこんなこと、笑って吹き飛ばそっ。」と始めたブログですがもう笑う気力もございません。

なんのための『キレイ』か。

前回はアイメイクについて書いてみましたが、結局は何においても「過ぎたるは・・・。」ってことなんだし。

あと、誰でもかれでも「お目目パッチリ」すりゃぁいいってもんじゃないんだしサ。

日本人なんだから...とか、年相応に...とか、説教臭いこと言うつもりは全くありませんけど。

 

就活中、久しぶりに平日の午前中にテレビをつけたら、やってたんだよ。「奥様大変身」コーナー。

毎日毎日家事や育児や仕事に追われて忙しかったりする「主婦」が、プロのヘアメイクさんやスタイリストさんに変身させてもらうってやつ。

あーゆーの、大っ嫌い。(← でも見たけど。)

テレビのこっち側でアレ見てて楽しい人っているの? 「こうゆうの、私も参考にしよう♪」とか。

ヤラセじゃなくて本当に一般人の主婦が応募するんっすかねぇ。

 

なんともかんとも見てらんないのが(← 見たんだけどね…。) 変身した「奥さま」がジャジャーンと登場するとこでしょ。

メチャクチャ嬉しそうにリアクションする夫と子どもたち。

場合によっちゃ、親戚とか近所の人とかも来てたりする。みんな喜びに満ち溢れちゃって。

奥さま本人は。鏡で初めて自分の変身後を確認して「わぁー!自分じゃないみたい!」って驚いてみせる。わざとらしすぎて、テレビの前で悶絶~っ。

 

たしかに。変わり果てたその姿は「Before」とは全然違うけど。別の意味で「ぜっんぜん、ちがうだろーーーっ!」って、声に出して叫んでしまったよ。

 

だいたいさぁ、「ダンナをよろこばすため」って演出が、もう...。

それに、ヘンシンはしてるけど「ステキ」な感じが1ミリもない。ニセモノ感しかない。

番組制作に携わる方々、そしてホントに一般人として出演されてるとしたならば変身してみせてくれた奥さま。申し訳ないけど言わせてください。

なにからなにまでキモチ悪いです<m(__)m>。(← でも見ましたから。)

 

 

そうだ。数年前にこんなことがあったんですよぅ...。

小さな趣味のイベントに一人出掛けた私。

その日は、そんなに著名人ではありませんが、ある分野ではちょっとばかり名の知れた方(A氏)のサイン会も予定されていて。

せっかく山奥から出てきたことだし、ミーハー心もあったし、私もサインと握手してもらっちゃえっ。ということで会場へGO。

 

ノロノロしてたせいでサイン会を待つ列の一番後ろに並ぶことになりました。

そしたら、私のすぐ前にいる女性がなんだかイヤ~~な視線を向けているの。私に。

しばらくすると、何故だか彼女は列から外れどこかへ。…と思ったら、私の後ろに並び直した。

「どうぞ。」と、彼女が元々並んでいた最後から2番目のスペースを示す私に迷惑そうな表情で、「いいですからっ!」と憮然とした声を発した彼女。

 

この人にはなにか一番後ろじゃなきゃいけない理由、というか魂胆があるのだな。と、よほど鈍感な人間じゃない限り誰でも察するでしょう。

私としては、ひとつ順番が早くなろうが最後だろうが、どうでもいいことだったし、すんなり彼女に最後尾の座を譲ってもよかった。

んだけど、大人げも無く私は「なんだコノヤローっ。」という気持ちだったのです。

 

納得いかないまま彼女は私の前に戻り...。約20分後、いよいよ彼女の順番がきた。

長テーブル越しにA氏の前に立った彼女は、名刺らしきものや本だか雑誌だかをA氏本人に渡しながら自己紹介を始める。

あまりにも熱心にPRしている彼女を、横にいたスタッフが「もう予定時間もオーバーしておりますので。」と遮った。

彼女は不満そうな顔で私の方を振り返り、「写真撮ってくださる?」と自分のスマホを差し出す。

「いいですよ。」と私が答えるより先に、そそくさとA氏の隣へ移動し、慣れた様子でポーズと笑顔をつくる彼女。

写真を自身のSNSに載せてもよいかどうかの許可を得て、とっととその場を去って・・・はいかず、私がサインをもらって握手している間も少し離れた場所からこちらを見ている。

「せっかくだから、あなたのも撮ってあげますよ。」とにこやかに歩み寄ってきて、私のカメラを受け取りA氏と私のツーショットをパチリ。

すぐさま再びA氏の傍に進み出て、話をしようとする彼女...。さすがにスタッフにきっぱり断られて終了。

 

私より何歳か若いであろうその女性が何者なのか。その時は知る由もなかったのですが...。 イヤ~な感じのはじまりがコチラ...。↓↓↓

 

サイン会より少し時間を遡ります・・・。

会場内の休憩スペースでお茶を飲んでいた私。たまたま隣に座っていたのが彼女だった。同じイベントに参加しているわけなので、どちらからともなくその趣味に関わるような、しかし当たり障りのないごく短い挨拶程度の会話をした。

しばらくして、サイン会開始時間のアナウンスが流れると、彼女はバッグの中から小さい何かを取り出し.・・・。

・・・そして私の目の前で、本当に真ん前で、大きく口を開けて、シュッシュッシュッー、と甘い香りのするものをスプレーした。

 

電車の中で化粧する女性は何度も見たことあるし、化粧だけじゃなく制汗剤か何かを思いっきり車内でスプレーしちゃう女子だって見たことある。

けど、自分のまさに目と鼻の先で、のどチ〇コが見えるほどの大口を開けて、口臭スプレーを撒かれたのは生まれて初めてだった。

 

正直いうと、すごくバカにされた気分だったのだ。

彼女にとって私なんか通りすがりのド田舎ババァだろうし、彼女のお目当てはあのプチな有名人A氏だったんだし...。

でも、ものすごーーーく、アタマにきたんだっ!

 

それから約二週間後。

地元の本屋さんで夫と息子と待ち合わせ中。なかなか来ない彼らのせいで、普段けっして見ることのない系統の雑誌を手にとってしまった。

パラパラとページをめくると、あの時の女性が雑誌の中から口臭スプレー・・・

ではなく、笑顔とキラキラをふりまいている。

いわゆる“美魔女”と呼ばれるご婦人たちの一味 お一人だったのだ。

 

なるほど。どおりで、写真撮影の際、ポーズも笑顔も慣れたものだったんだ。

私なんかあの時の写真だけでなく、生まれてこのかた写真写りが良かったためしがない。現物の百倍は醜く思い出に残されてしまう悲しい体質。

写真に写っても写んなくても、どっちみちダメってことなんだけど。

 

この美魔女なる方々って、普段何をなさっているのだろうか。

『フツーの主婦』ではなさそうだけど、芸能人ともちがうの・・・?

わかんない。わかんないし、カンケーない。どっちでもいいし、どうでもいい。

 

確かにあの時の女性は、そこいらへんの40代の主婦よりは綺麗だった気がする。

彼女の外見がどうだったか、美人かおブスか。そんなことよりずっと、大きく口を開けてシュッシュする姿が強烈すぎて、雑誌の中で改めて彼女の顔を認識したわけなんです。

 

まったく知らない世界で、「美」に関わる活動をされているんだから、間違いなく美人だったんだ。 

多くの人から美しさを讃えらえるような人というのは、私のような山ん中のババァには想像すらできないような日々の努力をなさっているのでしょう。(← 激しくヒガミ。)

 

ヒガミついでに考えてみると、あの時の口臭スプレーは、もしかしたら私への優しい配慮だったのでは。年老いて、自分のお口のニオイも自覚できない哀れなババァへの...。

「なに、このオバサン。口くっさいわねぇ!」とは言えないから、自らの美を犠牲にしてまで、デッカイ口開けてスプレーしてみせてくれたんだわ。

そうだよ、そうだよ!

じゃなきゃ、美人だろうがブスだろうが、いくらなんでも人前であんなことしないよ!

ありがとう! あの時の美魔女!

 

 

美人とかブスとか、生まれ持った顔の造作なんかマジ問題じゃない、とつくづく思うこの頃でございます。

女性だけでなく男性も。

メイクしても飾り立てても変えられない。隠しきれないよ。

人間性ってのかな。

イケメンにはほんとに縁がないけど、美人でも人相悪い人ってけっこういるよね。

顔にぜーんぶ出るよねぇ。

こんなこと言うのは、やはり、美しさとは程遠いババァの僻み根性なんでしょーか(T_T)

 

 

だから、アタクシ自身のことはですね・・・。

今日も、棚の上のいちば~ん高い所に置いとかせていただきますよっ(;^ω^)/